E7系の水没で急遽延命されたE4系
上越新幹線を走る2階建て新幹線E4系。Maxの愛称で親しまれ、列車名もE2やE7で運転される「とき」や「たにがわ」と異なり、「Maxとき」「Maxたにがわ」という列車名で運転されています。スキー客などの需要を見込み、8+8の16両編成で1600人も乗せることができます。
1997年に導入されたE4系は、本来2020年に引退予定でした。しかし、2019年の東日本台風で長野の車庫にいた北陸新幹線向けE7系、W7系が水没し廃車になってしまったため、上越新幹線向けに製造される予定だったE7系を優先的に北陸新幹線に回すことなりました。そのため、E4系は不本意な形ではありますが引退が延期され、もうしばらく走ることになったのです。
Maxときの終電に乗る
上越新幹線の東京行き最終列車は、新潟駅21:35発 Maxとき350号です。
停車駅は新潟県内 越後湯沢までの各駅と、高崎、大宮、上野、東京です。
乗客はちらほらといった感じですが4号車自由席だけ人が多めです。
普段は空いていますが、8月の長岡花火大会(2020年は中止)の日は日帰り客がこの便を逃すまいと乗るため、自由席、指定席共に満席になり、各車両のデッキも人であふれます。
こちらが2階自由席です。定員重視のE4系は2階自由席を3列+3列にしているため、リクライニングができません。
一方、1階であれば2列+3列でリクライニングができるようになっています。
この列車では4号車は自由席ですが、列車によっては指定席としても利用されるため、二階席もリクライニングができます。そのため、先ほど4号車だけ人が多めだったようです。
こちらが1階自由席です。景色を取るか、快適性を取るかが迫られる究極の2択といったところですが、夜は何も見えないので今回は1階席を選びます。
他に乗客はいないため貸し切り状態です。
自由席デッキには補助席まであります。
ドア寄りの席は景色も見えるので案外悪くありません。
売店跡地もあります。最近はガチャガチャやモバイルバッテリー貸し出し機が置かれている車両もあるようです。
特徴的な二階建て構造。中央部にはエレベーターがあり、車内販売がワゴンだったころはこれを利用して昇降させていました。
気づけば東京駅。時刻は23時半をまわり、東京発の新幹線はすでにありません。新幹線各方面からの東京行きも概ね到着し、乗客たちは各方面の普通列車に向かって行きます。
上越新幹線ではE2系を利用した現美新幹線も走っていますが、これも2020年冬に引退が決定されているなど、今最もアツい新幹線と言えるのではないでしょうか。
E4系の引退時期は未定ですが、そう長くないことだけは決まっていますので現美新幹線と合わせて楽しんで見てはいかがでしょうか。