東北本線を普通列車で北上

東北本線を普通列車で北上

JRの普通列車(や快速列車自由席)に限り乗り放題の「青春18きっぷ」。今回はこれを利用して東北本線を乗りとおしてみました。東北本線は、文字通り東北地方を貫く幹線で、東北新幹線の新青森開業に伴って現在は岩手県の盛岡がJR路線としての終点となっています。

 始発駅、上野にやって来ました。18きっぷにハンコを押してもらい、早速乗り込みます。このエリアでは東北本線というより「宇都宮線」の愛称が浸透しています。上野5:10発の宇都宮線初電となります。

 最初の車両はE231系の近郊型です。座席が硬い硬いともいわれていますがどうしても嫌ならグリーン車を利用するといいでしょう。運用範囲は大半が宇都宮まで、一部列車が黒磯までとなっています。やってきた車両はたまたまトップナンバーの車両でした。

 さっさと乗り継いでいけば早く(盛岡には夕方)到着できますが、ただ無心に乗りとおしていてもつまらない上に、旅行記としても何ら味気なくなる(取れ高…)ので、乗換駅でちょくちょく下車し、名物を購入してみたり駅前のバスを撮影したりしていきます。宇都宮駅前では貴重な日野・ブルーリボンの試作ワンステップ車両(U-HU2MLAA改(1994年))を記録することができました。

 駅に戻り、宇都宮からは黒磯行きに乗車します。車両は小金井から黒磯まで運用されている205系です。武蔵野線からも撤退した現在では貴重な存在になっています。半自動ドア機能が追加されていますが、コロナ対策で全扉を車掌が開閉していました。

 かつては黒磯駅構内が交直流のセクションとなっており、ここから交流電化用の車両に乗り継ぎましたが、現在は黒磯~高久間にセクションが移動したため、東北エリアの交流車は乗り入れなくなりました。代わりにやってきた車両は常磐線で活躍する交直流車のE531系です。一時期はディーゼルカーも使用されていた同区間ですが、現在はE531系に統一されています。東北本線で常磐線の車両に乗るというのは未だに違和感を覚えます。

 E531系の運行区間は新白河まで。せっかくなら宇都宮から直通運転してくれてもいいのに、なんて思ったりもしますが車両のコストも高く、編成数も足りないことから同区間のシャトル運用に徹しているものと思われます。

 新白河の駅前には珍しい連節バスが停まっていました。これはJR東日本の研修センターとを結ぶ送迎用のバスで、ジェイアールバス関東が運行しています。この車両は富士重工製のボディに海外製のシャーシを架装したもの(富士重7E×ボルボK-B10M改(1998年))で、かつては京成バスの幕張新都心エリアで活躍していた貴重な車両です。現在は国産連節バスがこの車両の置き換えの為に導入されています。

 新白河からは郡山行きの普通列車に乗ります。車両は東北普通列車の代表・701系です。ロングシートが忌避されがちですが、個人的には乗り心地もさほど悪くは無いので、ロングにそこまでのヘイトはありません。

 郡山に到着です。向かいに乗り換え先の福島行き電車が止まっていました。

 駅前で福島交通のバスを撮影しました。福島交通は水害によって車庫が浸水してしまい、多くの車両が使用不能になってしまいました。そこで全国から中古車両をかき集めて運行を維持しています。写真の車両は元・東京都交通局の車両で、都バスカラーのまま運用されています。(現在では現地の塗装に塗り変わっています。)

 ここからの電車は新型のE721系です。バリアフリー対応の為に、東北本線内のかつての客車列車用ホームに合わせて車両の高さが下げられています。(先ほどの701系との並びを見て頂けると分かると思います。)

 E721系にはボックスシートがあります。先ほどの郡山乗り換えで購入した現地の商品を食べます。酪王のいちごオレとクリームボックスを味わいました。

 「日本三大まんじゅう」に数えられる郡山名物の薄皮饅頭です。このほかには郡山を代表する銘菓の「ままどおる」などを購入しました。(甘いものばっかり…)

福島に到着しました。ここからは仙台まで快速列車に乗り継ぎます。仙台シティラビットの愛称が特徴的です。

 車両はここまで乗って来たものがそのまま行先変更という形でした。そのまま乗り続けていられるので非常に快適です。

 東北最大都市・杜の都仙台に到着しました。

 本来はこのまま乗り続けていくところ…なのですが、別の用事をこなして今日はここ仙台にて宿泊しました。夕食は名物の牛タンです。牛タン専門店「司」にて極上の牛タン定食を楽しみました。18きっぷで交通費を抑えた分はこんな風に食費などに回していくと楽しい旅になります。

 翌朝、東北本線の下り始発列車で北行を再開します。列車番号は521M、たまたまですが上野からの始発列車と同じ列車番号でした。

 最後の県境超えをし、一ノ関に到着しました。ここからは岩手県を北上します。駅前には国際興業カラーが特徴の岩手県交通の古バスが停車しています。岩手県内は線形が良く、普通列車でもかなり高速で走行します。

 9時20分前に終点、盛岡に到着です。最後は紫色の701系でした。ちなみに東北新幹線「はやぶさ」に乗ればこの日の始発(上野6時38分)で盛岡には8時45分には到着してしまいます。320km/hの偉大さが分かります。

 田沢湖線(秋田新幹線)はレール軌間が標準軌の1435mmで、盛岡駅では東北本線(1067mm)と向かい合わせて異なるゲージが並んでいます。

 昼食は名物の盛岡冷麺です。独特なコシのある麺がたまりません。

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